バス運転手の服装とは？

バス運転手は、人と接する職業です。服装をはじめとして身だしなみにも気を付けなくてはいけません。乗客の安全を預かるプロフェッショナルとして、また「企業の顔」として、その外見は信頼感に直結します。ここではバス運転手の勤務時の服装や身だしなみの注意点を紹介します。

バス運転手の服装

バス運転手の勤務時の服装は会社によって異なり、制服が用意されているところもあれば、私服勤務をOKとしている会社もあります。

傾向として、大手と呼ばれる会社は制服が基本ですが、中小会社の場合は私服勤務にしている会社も多いです。

制服を着るよりも私服の方がリラックスして勤務ができるでしょう。ただし私服勤務だからといってどんな服装でもOKではありません。私服というのはあくまで会社で用意した服ではなく自分で服を用意する、という意味であり、どんな服装でも良いとしているわけではないのです。休日に着用するようなラフな私服姿での勤務は、どれだけ私服OKとしている会社であってもNGが出る可能性が高いです。

私服勤務としてふさわしい服装が提示されるケースが多いため、会社からの要望を踏まえて私服を選択しましょう。具体的には、襟付きのシャツやポロシャツ、ボトムスはスラックスやチノパンといった、いわゆるオフィスカジュアルに準じた服装が求められることが多いです。逆に、Tシャツやジーンズ、特にダメージ加工のあるもの、ハーフパンツやサンダルといったカジュアルすぎる服装は避けましょう。

バス運転手に制服がある理由

服装で乗客と区別する

バスに乗る際に疑問・質問があったときに運転手だとわかる人がいると、乗客も声をかけて質問しやすいです。私服だと誰が運転手なのかがわかりづらく、乗客は誰に質問したらいいのかわからなくて困ってしまいます。

服装で乗客と区別するために、制服を用いているバス会社も多いでしょう。特に、万が一の事故や災害といった緊急時には、誰が乗務員なのかが一目瞭然であることが、乗客の避難誘導や的確な指示を出す上で非常に重要になります。

信頼感が生まれる

制服を着ているだけで、乗客との信頼感も生まれやすいでしょう。もちろんきちんと制服を着こなしている場合に限りますが、乗客との信頼感を大切にするために制服だけでなく制帽もセットとしている会社も多いです。

また、制服に袖を通すことで運転手自身も「仕事モード」へと意識が切り替わり、「会社の看板を背負っている」という責任感が生まれ、安全運転への集中力を高める効果も期待できます。

企業のイメージ向上

バス運転手の制服は、会社のロゴやカラーを取り入れたデザインも多く、地域を走る「広告塔」としての役割も担っています。統一されたクリーンな制服は、バス会社全体のブランドイメージを高め、社会的な信頼にも繋がります。

バス運転手の身だしなみの注意点

制服もしくは仕事用の私服をきちんと着こなしていても、その他の部分に何らかの問題があると乗客からの信頼が得られません。身だしなみは、言葉を発しなくても相手に印象を与える「非言語コミュニケーション」の一つです。中には身だしなみに関する規定が設けられている会社もあり、守らないまま勤務していると解雇される可能性もあります。

髪型と髪色

髪型や髪色は、基本的に清潔感がある状態を理想する会社が多いです。伸ばし放題で不衛生である状態はふさわしくありません。また派手な色に染めるのもあまり良いとはいえないでしょう。

さらに長さや髪色は問題なくても、寝ぐせがついたままボサボサの状態では清潔な印象が与えられません。勤務前にはきちんとセットしましょう。男性であれば耳や襟足にかからない短髪が、女性で髪が長い場合は、運転の妨げにならないよう後ろで一つに束ねるなど、顔周りをすっきりと見せる工夫が求められます。

ヒゲ

ヒゲは基本的にしっかりと剃った状態が好ましいです。特に無精ヒゲと呼ばれる伸ばしっぱなしの状態は、不衛生な印象を与えます。多くのバス会社でヒゲは禁止されているため、会社のルールに従ってしっかりと剃りましょう。清潔に整えていたとしても、乗客によっては威圧感や不快感を抱く可能性があるため、原則として認められていないことが多いです。どうしてもヒゲを維持したい場合は、会社との相談を行いましょう。

アクセサリー

アクセサリーは、勤務中は外すというルールを設けている会社が多いです。どのようなバスの運転手なのかによってアクセサリーの着用可能範囲は異なりますが、やはりジャラジャラとついている状態の勤務は好ましくありません。あまりに派手なアクセサリーはハンドル操作や機器のボタン操作に引っかかったり、光が反射して運転の妨げになったりする危険性があるためです。あくまで華美にならない程度、結婚指輪のみなどのシンプルなアクセサリーを基本としましょう。

靴

見落とされがちですが、安全運転に直結するのが靴です。かかとを固定できないサンダルやクロックス、ペダル感覚が掴みにくい厚底の靴、滑りやすい靴底のものはペダル操作を誤る危険があるため厳禁です。多くの会社では、運転に適した革靴やスニーカーが推奨、あるいは指定されています。手入れを行い、清潔で破損のない状態を保ちましょう。

匂い

バス車内は密閉空間のため、匂いには特に気を配る必要があります。きつい香水や柔軟剤の香りはもちろん、タバコの匂いや体臭・口臭も乗客に不快感を与えます。乗務前には無香料のデオドラント剤を使用するなど、エチケットとして配慮することが大切です。目に見えるものだけが服装ではなく、乗客へどういった印象を与えるかという点でも考えておく必要があります。