バス運転手に必須の大型二種免許はすぐ取れるのか、取得方法、取得までの流れ、期間、免許の取得に必要なスキルや資格などをまとめました。
大型二種免許とは、正式名称を「大型自動車第二種免許」と言い、総重量11t以上の車両で、最大積載量が6.5t以上かつ、30人以上の乗客を乗せる際に必要な免許のことです。大型免許には一種免許と二種免許の2つがありますが、バスの運転手になる際は、お金をもらって人を運ぶための「二種免許」が必要になります。
大型二種免許の取得には、3つの方法があります。
最短期間で免許が取得できます。最短7日間の合宿+住民票のある地区の試験場で筆記試験に受かれば取得できます。
取得費用:25万円前後~
仕事をしながら、自動車学校に通って取得することが可能。最短約12日間+住民票のある地区の試験場で筆記試験に受かれば取得できます。
取得費用:30万円前後~
自力で勉強して試験を受けることもできますが、合格率は10%以下と難易度が高いので、あまりおすすめはできません。
取得費用:4万円前後~
通学・合宿、いずれの場合も、大型二種免許は自動車学校へ入校して取得するのが一般的です。免許取得までは、主に次のような流れになります。
1. 自動車学校へ入校(通学コースまたは合宿コース)
最初に入校説明や、視力・聴力などの適性検査を受ける。
2. 第一段階教習【二種免許取得者は免除】
技能研修、学科研修を受講。
3. 修了検定~仮免許交付【大型免許取得者は修了検定を免除】
第一段階教習の修了検定に合格すると、仮免許を交付。
4. 第二段階教習
技能研修、学科研修を受講。
5. 卒業検定~教習所を卒業
卒業検定に合格したら、教習所を卒業。
6. 本免試験と適性試験
住民票のある試験場で本免学科試験を受ける。
7. 大型二種免許証交付
大型二種免許の取得には、次の条件を満たす必要があります。
・21歳以上
・大型、中型、普通、大特などの免許取得後、3年が経過していること
・両眼で0.8以上、片眼で0.5以上、深視力2.5mの距離で平均誤差2.0cm以内の視力があること(メガネやコンタクトなどの視力調整可)
・赤、青、黄色の識別ができること
・10m先で鳴る90dbの警音器の音が聞こえること(補聴器可)
路線バスは地域の重要な交通手段であり、国や地方公共団体から補助金を受けて運行している路線も増えています。路線バスは早朝から深夜まで運行しているため、早朝・深夜・朝夕のラッシュ時間帯などのダイヤを組み合わせて編成されています。
1日の労働時間は、通常6~7時間。高速バスなどの長距離路線バスを担当する場合は、2日勤務+1日休暇、4日勤務+1日休暇となるケースもあり。交替制での勤務となるので、公休日が日曜になるとは限りません。残業も発生しますが、安全を考慮して運転時間の上限などの基準が定められています。
給与体系は月給制が通常で、各種手当などの占める割合が高いのが特徴です。就業者は男性が多い傾向にありますが、女性の運転手も少しずつ増えてきています。
観光バスの雇用者はバス会社や鉄道会社の子会社などで、勤務時間や勤務形態は運転するコースによって異なります。勤務時間は平均1日8時間程度となっていますが、乗務時間は5~6時間、点検や点呼などを含めた実労働時間は7時間程度が一般的です。長時間・長距離を運転する場合は交代運転手の配置が義務付けられており、安全への配慮がされています。
運転するコースによっては早朝勤務や深夜勤務、宿泊もあり、貸切バスの利用者が増える土日祝日の出勤が多め。給与体系は月給制が多く、各種手当の割合が大きいのが特徴です。個人旅行者が増えて観光バスの利用者は少なくなっているものの、それでも未だに根強い需要があることから、今後も観光バス運転手の需要は高まっていくと考えられます。
送迎バスの運転手は施設等の職員または契約社員が担当するケースもありますが、バス会社に勤務して送迎バスを運行するのが一般的です。バス会社勤務の運転手は正社員が大半で、送迎バスのみを担当することが多い傾向にあります。
終日運行の場合は交替勤務となり、運行時間が決まっている場合は送迎時だけ勤務するケースもあり。路線バスや貸切バスと比べて早朝・深夜勤務が少なく、勤務時間の負担も比較的軽いことから、就業者の平均年齢が高いのが特徴です。
大型二種免許を取得するには、高度な技術と深い知識が求められます。学科試験と技能試験の両方に合格するためには、適切な勉強方法を取り入れることが重要です。
大型二種免許の学科試験では、法令や運転技術に関する知識だけでなく、旅客輸送に特有の内容も問われます。まずは、教習所で提供される教本や問題集を活用しましょう。これらの教材には、試験に出題される内容が網羅されています。特に、運転中の安全確保のための知識、旅客への適切な対応方法、緊急時の対応などは重点的に学ぶべき分野です。
問題集を解く際は、解答を単に暗記するのではなく、問題の意図を理解することを心がけましょう。同じ内容が異なる形で出題される可能性があるため、背景知識を深めることが重要です。また、間違えた問題をリストアップして繰り返し復習し、自分の苦手分野を特定して克服することが求められます。
応急救護処置や交通法規に関する知識は試験だけでなく、実際の業務においても必要不可欠です。例えば、応急救護の手順や障害者への対応については、理論だけでなく実践的なスキルを磨くことが求められます。教習所で実施される実習やシミュレーションに積極的に参加しましょう。特に、事故現場での対応や乗客の安全確保に関連する知識は、大型二種免許における重要な分野であり、深く理解することが大切です。
技能試験では、大型車特有の運転技術を正確に身につけることが求められます。特に鋭角や縦列駐車、車庫入れといった課題は、多くの受験者が苦戦するポイントです。これらの課題をクリアするためには、反復練習が必要です。教習所のコースで何度も練習し、車両の特性や内輪差を正確に把握しましょう。
また、路上試験に備えるためには、実際の交通環境での運転に慣れる必要があります。教習所での路上教習を有効活用し、交差点の通過方法や信号のない横断歩道での歩行者優先、坂道発進など、細かい技術を磨きましょう。試験では安全確認が重視されるため、運転中の視線の動きや確認動作を意識的に取り入れることも大切です。
公安委員会指定の自動車教習所を利用すると、卒業試験に合格することで技能試験が免除される場合があります。この制度を活用すれば、試験対策に専念できるため、合格の可能性が大幅に向上します。ただし、卒業試験も難易度が高いため、確実な練習と準備が必要です。教習所のインストラクターからのフィードバックを活かし、課題の克服に努めましょう。
大型二種免許の取得には、視力検査や適性検査も重要な要素となります。特に深視力検査は、多くの受験者が苦手とする部分です。この検査では、複数の棒の位置関係を正確に判断する必要があります。教習所で同様の機器を使って練習し、コツをつかむことが合格への近道です。
視力基準を満たしていない場合は、メガネやコンタクトを準備しましょう。大型二種免許では安全運転が何よりも重要であるため、視覚情報の正確な把握が求められます。
学科試験と技能試験の両方をクリアするためには、計画的な時間管理が必要です。忙しい日常生活の中で学習時間を確保するには、スケジュールを立てて効率的に勉強を進めることが重要です。例えば、通勤時間を活用して問題集を解いたり、寝る前に1日の学習内容を復習したりするなどの工夫が効果的です。
また、継続的な学習が成果を生むためには、モチベーションの維持が欠かせません。目標を明確にし、進捗を記録することで、自分の成長を実感できるようにしましょう。特に、難易度の高い課題に直面した際には、達成感を感じられるような小さな目標を設定することをおすすめします。
教習所での練習に加えて、可能であれば実際の大型車両に触れる機会を増やしましょう。運転体験会や関連イベントに参加することで、車両の操作感覚をリアルに体験できます。これにより、試験に向けた実践力が向上するだけでなく、免許取得後の業務にも役立つ経験を積むことができます。
また、実車運転を通じて学んだスキルを教習所での練習に応用することも効果的です。教習所での練習は安全な環境で行われるため、実際の運転環境での課題をシミュレーションする良い機会となります。教官からのアドバイスを活用しながら、自分の運転技術を磨いていきましょう。
働きながら免許を取得することが大変な方は、バス会社に入社してから取得する方法もあります。
バス会社の中には、大型二種免許の取得サポートや試験費用の全額免除をしている会社があるので、そういった運転手の育成に力を入れている会社を選びましょう。
転職を考える上で考慮すべきポイントはたくさん。愛知県でバス運転手への転職を検討しているなら、企業規模と給料と福利厚生に注目することが、本当の安定性に繋がります。おすすめの3社を厳選しました。